優しさのつもり

求められなければ優しさは優しさとしての形を成さない。
優しさのつもりで放った言葉でも受け取られなければ意味はない。ないんだよ。残念だね。悲しい。
結局はぜんぶわたしのため。
誰かを思えるわたしでありたかっただけなんでしょ。
あなたを見ていて、わたしのこと見て欲しくなっただけなんでしょ。
わたしは容赦なくわたしを責める。
そしていつかあの人に言った「優しさに罪はない」という言葉で救われるのもわたし自身。こんなのあの人だって憶えていないでしょ。
傍から見れば滑稽な憂鬱だ。
滑稽に映っていればむしろ幸いだ。
戒めに根性焼きでも入れてやろうかと思ったけれどわたしは痛いのがとても嫌いだからできなかった。
自分を生かすこと、案外得意みたいだ。
だれのためにもなれないくせに。